急速な現役志向化
1年浪人するほど名門大と2番手大に大きな差はない
親世代では当たり前の浪人生活を、最近の受験生はほとんどしない。
文部科学省「学校基本調査」の高等教育機関編によると、2011年春の大学新入生のうち、浪人の占める比率は約7.7人に1人(約13.3%)。6.3人に1人だった2006年はもちろん、過去のピークだった1985年の2.6人に1人からみれば激減している。
なぜそこまで、現役進学にこだわるのか。ひとつは、少子化や入試方法の多様化によって、大学受験そのものが楽になっていること。大学間の格差が縮まっていることも一因だ。
「一浪して早稲田に合格し、4年で卒業するのと、最初に合格した明治大学にそのまま入り、1年間どこかに留学してトータルで5年で卒業するのと、どちらが就職活動のときに企業から評価されるでしょうか。名門大学の価値は、昔ほどはありません」(VAMOS富永氏)
浪人して予備校に通えば1年間私立大学に通うのと同程度の経費がかかるし、志望する難関大に100%合格できる保証があるわけでもない。
東大や国公立大医学部などの超難関大学の受験を別にすれば、現役志向は今後も続きそうだ。
(宇佐見利明=写真)