「夫婦の年齢差が5歳差」以上は加給年金を受給すべき

共働きの年金世代でも、妻が出産やその後の子育ての時期に離職したために厚生年金の加入期間が20年未満という夫婦もいるでしょう。

増田豊『結局、年金は何歳でもらうのが一番トクなのか』(青春出版社)
増田豊『結局、年金は何歳でもらうのが一番トクなのか』(青春出版社)

その場合の夫婦の年金戦略は、年齢差と加給年金を考慮するのが基本です。

3歳差の夫婦であれば、夫婦ともども老齢基礎年金、老齢厚生年金の受給開始を70歳に繰り下げるのが賢い選択です。

5歳差の夫婦であれば、加給年金を受け取るか繰り下げかを迷うところですが、繰り下げ受給を検討してはいかがでしょう。共働き夫婦であれば、夫の老齢基礎年金と老齢厚生年金、妻の老齢基礎年金と老齢厚生年金の「4つの年金のすべて」で繰り下げによる増額の恩恵を受けられます。老後の安心を手に入れたいのであれば繰り下げがおすすめです。

そして、5歳より年齢差がある場合、加給年金を受け取るほうがいいでしょう。このあたりの考え方は、夫が会社員で妻が専業主婦の夫婦のときと基本的には同じです。

シニアカップル
写真=iStock.com/blackCAT
年の差夫婦ほど加給年金を受け取るべき(※写真はイメージです)

ここまでの説明のポイントをいったん整理すると、次のようになります。

◎夫婦で生涯にわたって受け取る年金の総額をもっとも多くするには
(1)「70歳から受給開始に繰り下げる」が基本方針
(2)夫婦の年齢差に応じて、加給年金の受け取りを検討
(3)妻の年金受給(老齢基礎年金・老齢厚生年金)は70歳からに繰り下げ
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