意外に多い自分の話に酔う人

自分の知っていることを話すときも、「押しつけになってはいけない」と鈴木敏文氏はいう。

鈴木敏文●セブン&アイ・ホールディングス会長兼CEO。1932年、長野県生まれ。中央大学経済学部卒業後、東京出版販売(現トーハン)入社。63年イトーヨーカ堂入社。73年セブン-イレブン・ジャパンを創設して日本一の小売業に育てる。2005年セブン&アイ・ホールディングスを設立する。

「こんな経験をしたことはないでしょうか。相手に何かを聞いて、答えがふたことみことで返ってくると予想していたのに、そこからえんえんと話を始められる。聞くほうは疲れてしまいます。誰しも、人の話を聞くとき、自分の思っていた時間より長く聞かされるのは嫌なものです。ところが、話す本人はそれにぜんぜん気づきません。なぜなら、自分で自分の話に酔ってしまうからです」