0歳からの知育
ナニーを雇って、語学教育に熱心な家庭も
シリコンバレーの赤ちゃんたちは家庭でどのように過ごすのだろう。
両親ともにハイテク産業の最前線で働く家庭では、乳幼児期の子育てをナニー(家庭訪問型の保育のプロ)や、中南米やヨーロッパ出身のオペア(ホームステイ先の子どもの世話をして報酬を得ながら学ぶ留学生)に任せるケースが多い。
「0歳からできることとして、語学に投資する親が多い。中国人のナニーを雇って子どもとの会話で中国語を使わせる親を何人も知っています」と石角さんは話す。
同様に、スペイン語を母語とするオペアの需要も高いという。幼児期から多言語に触れさせたいという希望は幼稚園選びにも反映され、バイリンガル教育をうたい文句にしているところも多い。
自らはテクノロジーを知り尽くし、使いこなしているが、子どもは小さいうちからテクノロジー漬けというわけではない。「ナニーやオペアには子どもの前でスマートフォンやタブレットなどを使わないでほしいという親が一定数存在する」(石角さん)というのが興味深い。
そんなシリコンバレーのエリートたちが意識的に実践しているのが、子どもが主体的に考え、決めるプロセスを大切にする子育てだと、石角さんも川崎さんも口を揃える。
「例えばデザートにはイチゴがいいのかリンゴがいいのか。今日着る服は何色がいいのか。親子の対話を通して子どもに主体性を持たせることは、3歳でも十分にできます」(石角さん)
「大事なのは、イエスかノーで答えられる質問はなるべくしないこと。答えを求めるのではなく、なぜそう考えるかという根拠や意見を考えさせるようにしていると、問題解決能力のある子どもに育ちます」(川崎さん)