旅行用品かお土産品か。実用本意の店が大半を占めていた空港にいま、トレンドを反映したアパレルの店が増えている。
2010年の成田空港への出店を皮切りに、羽田や関空に「ジ エアポート ストア」を出店したのは人気セレクトショップのユナイテッドアローズだ。店名には「エアポート」とあるが、売り上げの7割は衣料品が占め、客の大半が女性だ。
「当初は旅行、デイリー、ギフト、ビジネスの4分類で編成していたが、洋服が好調のため、ファッションを軸にマーチャンダイジングを修正しました。ニットワンピースなど『これ1枚でさまになる』服がよく売れますね」と話すのは、チャネル開発本部チャネル開発部部長の岡崎大輔氏。羽田空港店は昨年6月に試着室を1室から2室に増やしたところ売り上げが急伸し、前年比2桁アップ。成田空港店も1桁アップと好調だ。成田空港には、期間限定ながらやはり人気セレクトショップ「シェルター」が昨年11月にオープンした。売れ筋はカーディガンやダウンコートなどのアウター類。コーディネートを考える必要がなく、旅行シーンですぐに利用できて、帰国後にも使えるオシャレな服がほしい。空港は女性客のこんなニーズを開拓したようだ。
羽田空港のヘビーユーザーであるビジネスマンを取り込もうという動きも出てきた。4月20日には、第一ターミナルの制限エリア内(保安検査場入り口から搭乗ゲートまで)の約850平方メートルの売り場に紳士雑貨を揃える「イセタン ハネダ ストア」がオープンする。「シャツや下着、香水やバッグなどを扱う店舗。伊勢丹メンズ館の小型版です」と話すのは日本空港ビルデングの取締役・米本靖英氏。空港で買い物をする習慣があまりない男性客の獲得なるか、注目したい。