他人を利用しない、他人に利用されない

自分自身に課していることを、他人に課してはいけない。他人に多くを求めてはいけない。ぼくはそう考えています。

重要なのは、「他人を利用しない。他人に利用されない」という鉄則を、肝に銘じておくことです。

「利用」とは「利益になるように用いる」という意味。他人を利用するということは、「自分の利益になるように他人を使う」「自分にはできないことを他人にやらせる」ということで、「自分にできることを他人にやらせる」ことにもつながります。他人にやらせたほうが楽だし、そのほうがうまくいくかもしれないからです。

そして、他人にやらせてうまくいくと、自分の力が2倍にも3倍にもなったように感じてしまう。自分は何もしていないのに、「やらせた」という快感がそんなうぬぼれを生むのです。

半分開けられたドアの向こうの2人のビジネスマン
写真=iStock.com/XiXinXing
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利用してくる相手からは離れる

利用される側はどうでしょう。

それがウィンウィンになるのなら構いませんが、一方的に利用されていると感じるのなら、そんな相手との付き合いはすぐにでもやめるべきです。

たとえば、その相手が上司の場合でも、職域を越えたところで利用されているのであれば、遠慮せずに断ってください。

利用されることで、相手に貸しを作る、あるいは恩に着せることを狙っていたとしても、ほぼ間違いなく徒労に終わります。なぜなら、相手はあなたを道具として見ているだけで、感謝の気持ちなど持っていないからです。

あなたがうまく立ち回っても、相手はそれを自分の力だと錯覚するだけです。