男性スタッフから人気がある人は例外なく“デキる人”
そしてそういう人間性は仕事でも出てきます。自分より立場が上の人には平身低頭、ペコペコしまくり、立場の弱い相手には傲慢に、居丈高になる。間違いありません。
逆に、男性スタッフから人気がある人、「あのお客様はいい方ですね」と思われる人は例外なくデキる人です。そういう方はみなさん会社でも偉くなっているし、慕われるリーダーになっています。女性だけでなく男性にも同じ態度で接する。それはつまり、相手によって態度を変えないということでもあります。
そういう人は、男性女性に限らず、どの立場の人にも同じように気配りができる人です。表舞台でスポットライトを浴びて活躍する人だけでなく、いえそれ以上にその人を陰で支える裏方さんたちを評価し、労うことができる人なんです。そんな人としての魅力を持ったリーダーなら、誰もがその人のために働きたい、ついていきたいと思うのは当たり前ですよね。
人を見て態度を変える人
強きに従い、弱きをおとしめる。上にへつらい、下に威張り散らす――相手によって態度を変える人は、いつか自分も“態度を変えられる”側の人間になります。
恩は売るものではなく「お返し」するもの
私は、人が望んでいるものをあれこれと想像して、それを何気なく贈って喜んでもらうのが大好きです。
お客様のお子様や奥様のお好きなものをさりげなくお聞きして、何かの機会にプレゼントしたり、「○○のコンサートチケットを入手したいけれど、なかなか難しい」という話を聞いたら、何とかツテを使ってご用意して差し上げたり、仕事関係で「○○さんと一度、お会いしたいんだけど、機会がなくてね」というお客様には、仲介役を買って出て、お顔合わせの場をつくって差し上げることもあります。
こういうことを書くと「クラブのママがお客さんにいろいろしてあげるのは、結局、恩を売るという営業活動のひとつだろう」と思われるかもしれません。でも私にしてみれば、ただ単に「喜んでもらえたら嬉しい」という思いだけ。元来、人の喜ぶ顔を見るのが好きで、誰かのためにあれこれとしてあげることが楽しくて仕方がないという、生まれ持った性分なんです。
何かして差し上げることで「恩を売ろう」などと思ったことも一度もありません。
「恩」というのならば、売るのではなく「お返し」させていただいているという思いのほうが正しいでしょう。もちろん、お客様にご来店いただいてこそ成り立つ商売ですから、「また来ていただきたい」気持ちは大いに持っています。私はママであり、経営者でもあるわけですから、売り上げのことを考えるのも当然のことです。
でも、ただ一方的にお客様にだけ「来てください」「いらしてください」と言ったところで、長くお付き合いいただけるような関係はつくれません。お客様からも大事にしていただくためには、私たちもお客様のことを考え、大事にして差し上げなければいけないのですね。