「小学生女児にブラジャーはいらない」はセクハラではないのか
子供の発育に関する「大人の一方的な思い込み」が深刻な影響を及ぼすのが学校現場です。小学校によっては、体操服の下にブラジャーや肌着の着用を禁止するルールがあります。
ルールを設けた理由について「汗で濡れた下着をつけたままだと風邪をひくから」と説明している学校もあります。
でも、成人した女性に対して、たとえその女性が身体を動かす必要のある仕事に就き、汗をかくことが想定されていても「風邪をひくからブラジャーをつけるのは禁止」といったルールが課されることはありません。もしそのようなルールがあったらセクハラだと言われてしまうことでしょう。
ではなぜ大人の女性に対して課さないルールを、女児に課しているのでしょうか。
そこには「小学生の女の子なら身体がそこまで発育していないはず」「小学生ならブラジャーなど必要ではないはず」といった大人側の「子供とはこうあるべき」という思い込みがあるとみてよいでしょう。
小学生であっても胸の発育した子はいますし、ブラジャーが必要な子もいます。そういったことを考慮せずに「子供にはこうあってほしい」「子供には子供らしくあってほしい」「だから子供にブラジャーはそぐわない」というような大人側の願望がこのルールからは見て取れるのです。ルールを作った側に間違った前提があったといえます。
下着の色に中学生らしさを求める大人たち
小学校の「体操服の下にブラジャーや肌着をつけてはいけない」というルールもじゅうぶんに理不尽ですが、もっと理不尽な校則が多いのが中学校です。中には生徒の下着の色をルール化しているところがあります。
しかし、学校が「何色の下着を身につけてよいか」といった生徒のプライベートな領域に立ち入る背景にもまた、大人による「中学生らしさ」へのこだわりというか、勝手な理想があるように感じます。