幸福を導く「あいうえお」の法則

「あ」=会いたい人に会いたい
「い」=行きたいところに行きたい
「う」=うれしいことがしたい
「え」=選ばせてもらいたい
「お」=おいしいものが食べたい

以上の5つが、私の幸福な人生を送るための「幸せの法則」なのですが、一見すると、とてもワガママに見えてしまいかねません。

そこでこの5つを、順番に説明していきましょう。

★「あ」=会いたい人に会いたい

これは、「あ、そうだ。私を一番元気にしてくれたのは、“会いたい人がいる”ということだったな」ということに気がついて、このフレーズになりました。

たとえば私にはエルヴィス・プレスリーやビートルズなど、「あの人に会いたい!」「どうしても生涯に一度はあの人と会って話がしたい」という熱望というか、強烈な“ミーハー感覚”があります。

ただ、「会いたい人に会いたい」といっても、当然のことながら、そう簡単にはいきません。でも、そんな強い思いに支えられて不可能と思えることに挑戦することで、様々な道が見えてくるし、逆に「あの人に会っておけば仕事の上でトクをするから」と、好きでもない人に無理に会ったりしていると、面白いほどロクな結果にはならないのです。

ちなみに私はエルヴィスに会えるまで15年かかりましたけれど、その年間が大きな財産になったことも確かです。だってその間、自分は前向きに推進しているのですから。

エルヴィスとの2ショット
エルヴィスとの2ショット(出典=『時代のカナリア』)

「行きたい」が叶ったのは50代になってからだった

★「い」=行きたいところに行きたい

もちろん、「行きたいところに行く」といっても、現実には仕事があったり、子育てがあったり、親の介護があったり、様々な問題があります。それに健康で元気でなければ行けませんし、ある程度のお金もなくては、行きたくても願いはかないません。

そこで私は、「行きたいところに行く」ことを一つの夢貯金として、行けないときはじっと我慢の子で、メモに書いて、仕事部屋のボードに貼ってきました。その中には数年間もずっと「オーロラを見に行きたい」というメモがありました。

私が最初にオーロラを見たのはニューヨークへ向かう途中の飛行機からで、アラスカ上空でのこと。これを地上で下から見上げたい! と強烈に思ったのが私の「オーロラの旅」の始まりで、やっとその念願がかなったのは、息子がスイスの高校に留学して、私にも自由な時間ができた90年代。私が50代になってからのことでした。

それからは北極圏のアラスカやフィンランドなど、もう世界7カ所ほどは行っていますが、最近は同じような思いの人もいて、「今のコロナが終息したら、絶対に『湯川れい子と一緒にオーロラを見る旅』という旅行を計画してください」と言われています。

もちろん厳寒の地ですから重装備の防寒服が必要ですが、あるときなど大雪原に大の字になって、まるで音のしないシンフォニーのようなオーロラを見上げていたら、あまりの美しさに感激して涙が出たのですが、その涙は瞬く間にカチンコチンに凍ってしまったという体験もしました。