多くの大富豪に共通するポリシーがあります。それは「燃えるものには投資しない」です。株や不動産、特許権などの資産は多額でも、火をつければ燃えてしまう現金・預貯金はあまり多く持っていません。現金は国の経済で価値が左右されますので、資産を動かすツールとして位置づけています。例えば、1億円のマンションと(土地付)戸建て住宅なら戸建て住宅を選びます。火事で燃えても、戸建てには土地という資産が残るからです。

「自己投資」もまた、無形への投資

また、有形より無形への投資を重視する傾向があります。財布に10万円の現金を入れたままにするよりも、10万円で友人と旅行して新たな発見や人との出会いを求める。自分を成長させる「自己投資」もまた、無形への投資のひとつですから。

こうして大富豪の家庭で育った子どもは、物怖じせず社交的で、礼儀正しく、人に優しい性格になります。幼いころから常に大人に囲まれて育つため大人びてもいます。人のためにお金を使うよう教わり、いずれは自分が財産や事業を継承することを認識していきます。周りの大人が付き合ってはいけない人を徹底的に排除し、人格者と交流させるため、子どもは人物の良し悪しへ鼻が利くようになります。人格者だけが富や事業を継承できることを、親が教え、自らも実践しているからなのです。

名家が伝承するお金のカリキュラム
2歳ごろ~
・2歳になったらお金の教育をスタートさせる
・お金は労働の対価であること、お金で得られる価値を、生活の中で伝えていく
小学校~
・お小遣いは「人のため」に使うことを体験させる
・家庭内での商売で「利益の仕組み」を体験させる
・電子マネーのお小遣いは、月末に使用状況をフィードバックさせる
・積極的に寄付やボランティアを体験させる
中学校・高校~
・これまで貯めたお年玉やお小遣いで投資をさせる
・子どもに将来性を感じる投資先を自ら選ばせる
(構成=力武亜矢)
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