中学生、高校生になると、親の口座を活用し、お年玉の貯金などを元とした子どものお金で投資をさせることもあります。株式、金やプラチナ、仮想通貨、NFTなど、子どもが将来性を感じるものに投資させます。自分のお小遣いですから、子どもは真剣です。

スマホや電子マネー、子どもにどう与える?

大富豪の家庭では、早くから子どもにデジタル環境を提供します。幼少期から親のタブレットで遊ばせ、スマホは小学校入学と同時に与えられます。これからの社会はスマホが生きるすべになるからです。自宅から離れた私立小学校やインターナショナルスクールなどに通う子が多く、送迎時間などのやりとりが必要だったり、防犯上の理由などを鑑み、小学校入学のタイミングでスマホを持ち始める子が多いです。ただし、ここでも大富豪の「お金の使い方」教育は徹底していて、無制限には使わせません。どんなに裕福でも、子どもが利用するスマホは時間を制限したり、インターネットの利用制限をきちんとかけています。

電子マネーも積極的に使わせます。例えばSuicaなどのICカードには、月初に定額をチャージして、あとの使用は子どもに任せます。月末には一緒に使用履歴データを確認し、フィードバックを行います。用途不明な項目はきちんと理由を聞きます。使用履歴は、昔でいうお小遣い帳の役割になります。

「ジュースを買った」と子どもが言ったら、勝手にジュースを買ったことを叱るのではなく、なぜ買ったかを尋ねます。「友達と仲良くなる時間を過ごすために買った」のであれば、お金に換えられない心の豊かさを得たことになり、使う価値があったとみなします。このように、大富豪のお金の教育は、金銭ではなく心の豊かさを得るための使い方を教えているのです。よく「金持ちはケチ」と言われますが、実際は「真に必要なことだけにお金を使っている」のです。「金は命の親、命の敵」ですから。

大富豪がボランティアや寄付に積極的なのも教育の一環です。人のためにお金を使うことで得られる心の豊かさや人とのつながり、自分の存在意義を感じるために、子どもにも寄付活動をさせます。使用済み切手を集めてコレクターに渡すことで国際医療に協力できるボランティア活動に参加したり、使い切れないカレンダーを施設の子どもに渡しに行ったりしています。誰かのために役立つことで初めて仕事が意味を成すという基本原則を教えているのです。