▼白川さんからのアドバイス
弁護士だから法律だけ知っていればいいというわけではありません。依頼を受けた事案が機械の故障に関するものなら、機械工学や物理の知識が必要だし、環境問題では検出された化学物質について知見がないと、鑑定結果の妥当性を判じることもできない。もちろんその都度勉強すればいいのですが、依頼者にしてみれば、最初に相談した時点で弁護士がまったくの門外漢だと、この人で大丈夫かなと不安な気持ちにならざるをえません。
その意味で弁護士というのは、日ごろから幅広い分野の教養を身につけておかなければならない職業といえます。しかし同じことは、おそらくどの職業にも当てはまります。自分の専門分野のことはたしかに詳しいけれど、世界経済や歴史などそのほかの話はまるでわからないというのでは、社会人として信頼を得るのは難しいし、仕事のパフォーマンスにも影響してくると思うからです。
ビジネスパーソンが最低限の教養を獲得するには、どうすればいいのか。いちばんいいのは、さまざまなジャンルの本を読むことです。入社して間もないビジネスマンであれば、人間学、工学、自然科学など、社会人にとって必須と思われるジャンルの基礎知識をまとめたシリーズものなどもおすすめです。