テーマも決まり、いざ書くべし!となれば、出版社に持ち込むことになる。そのときに必要なのが企画書だ。なかでも大事なのはプロフィールだと土井さんは強調する。

「うちのセミナーで時間をかけて教えているのがプロフィールの書き方です。コツは、この人変わってるなと思わせる“違和感”を持たせること。人って自分のネガティブな側面やコンプレックスをさらけ出すことを嫌いますが、出版はそれができた人のほうが生き残れる世界です」

発売3カ月で5万部を突破した『プロフェッショナルサラリーマン』の著者、俣野成敏さんも、自身が落ち込んでいた過去をプロフィールに生かしている。俣野さんは東証一部上場のメーカーに勤めているが、一時期はリストラの対象者になるという現実を突きつけられた。そこからグループ企業の現役最年少役員、本社の史上最年少上級顧問へと這い上がった経歴を持っている。俣野さんは、この「振れ幅」が大きければ大きいほどいい、という。

「そのためには勇気を出して恥部をさらす必要がある。いいことばかり書いたら、読者は共感してくれません。読者が共感するのは、頂点から穴に落ちていくか、どん底から這い上がるか、そのどちらかなんです」