3月11日の大地震から1年、人々の放射能への不安はいまだに大きい。昨年10月には、食品や土などを持ち込んで自分で測定できる測定所「ベクミル」が、千葉県柏市にオープン。続いて、東京・上野に2号店もできた。また、今年1月開業の「放射能プレミアムドック」(東京・品川)では、食品検査に加えて、一般の人の内部被ばく、甲状腺被ばく検査も開始。今後はフランチャイズ化を目指しているという。

エステーより新発売の「エアカウンターS」。携帯しやすいスティック型で、7900円と破格の価格設定。

ガイガーカウンター(放射線測定器)の人気も相変わらず高い。2月3日にエステーから出た「エアカウンターS」もそのひとつだ。直径2.2cm、長さ17cmのスティック型で、空気中の放射線量を簡単に測れる。価格は7900円。実はこれ、昨年10月20日に発売された家庭用放射線測定器「エアカウンター」(9800円)の進化版だ。

「前機種は、福島を中心に、東北・関東での発売が基本でした。12月末までに5万個の出荷を予定していましたが、初日に1万個が完了。前倒しして生産し、現在(1月後半)までに6万5000個を出荷しています」(エステー広報部)

品薄状態の中、子どもがいる主婦や、孫がいる年配者から「どこで買えるのか」「予約はできるのか」といった問い合わせが多数あり、それにこたえての第2弾の発売となった。

「測定時間の短縮化に加え、コンパクト化や価格を下げたことで、より広い年齢層に購入いただけるのではと思っています。自宅の庭や通学通勤路などを気軽に測ることで、皆様の不安を取り除ければ」(同)

今回の商品は全国展開でネット販売もし、月産10万個という体制も整えたそうだ。放射能ビジネスが興隆とは微妙な世の中だが、見えないものだけに、安心したければ信頼できるのは数値。ガイガーカウンターも、一家に一台が常識になるかもしれない。