体というのは正直である

「普段の生活とのギャップが大きすぎて調整ができていないのでしょう。断食をすると、甘いものばかり食べている人は低血糖になりますし、味の濃いものばかり食べてむくんでいる人は水分が抜けます。ガブガブとコーヒーを飲んでいる人が急にカフェインを断てば頭が痛くなります」(大沢氏)

すべて面白いように当てはまっている。断食が始まる前日の夜には「最後の褒美」などと言いながらハンバーガー屋に行ってしまった。体というのは正直である。私のような断食の「だ」の字も頭にないような健康に無頓着な人間こそ、断食道場に行くべきなのかもしれない。

3日目からは軽い食事を摂り、内臓を慣らしていく。夕食は量こそ少ないものの、コース料理だ。当然、鶏の唐揚げやラーメンなどではなく、素材の味を生かしたヘルシーな和食である。普段の夕食ではこのフルコース×5回ほどの量は食べているはずだ。しかし、この量でも体中に栄養が行き渡っている。いい状態の内臓がいい栄養を吸収している。頭痛や倦怠感も気が付けば消え去っており、翌朝、最終日のトレイルウォークでは、足の裏にバネでも付いているのかと思ったくらいだ。

帰宅後もしばらくはすこぶる体調がいい。「しばらくは」というのは、やはり味の濃いものやジャンクフードを食べたりするたびに体が重くなっていくのを感じるのだ。おそらくその回数が増えていくうちに体も慣れ、こうした体調の変化にも気が付かなくなっていくことだろう。しかし、そうなったときにはまた断食道場に行き、本来の体を取り戻せばいい。来訪者の多くがリピーターとなり、定期的に訪れる理由がよくわかる。

断食後、体に起きること
教えてくれた人●大沢 剛(おおさわ・つよし)
やすらぎの里・代表
1965年生まれ。22歳の頃から海外を放浪し、自然食に出合ったことをきっかけに人間の心と身体の健康に目覚める。その後東洋医学を学び、日本中の自然療法の施設で研修を重ね、その経験から湯治・食養・東洋療法保養施設「やすらぎの里」を伊豆高原に開設。
【関連記事】
40代で一気に「顔の老化」が進む人が毎朝食べているもの
「1日2個、切ってスプーンで食べるだけ」メンタル不調に効く身近な"あの食べ物"
「健康診断は不要である」そう断言する和田秀樹さんが、これだけは…と勧める"2つの検査"
「添加物たっぷりの食事はリスク大」カップ麺や加工肉に潜む"老化加速物質"の正体
「野菜たっぷりなら良いわけではない」糖尿病患者にほぼ確実に不足している"ある食べ物"