ヒットメーカーといわれる人たちは、どうやって企画を練り上げているのか。電通戦略プランナーの阿佐見綾香さんは「先輩社員の取材に同行し、音源データを徹底分析したところ、成果をあげる先輩たちの質問の仕方には、6つの共通があった」という――。
※本稿は、阿佐見綾香『電通現役戦略プランナーのヒットをつくる「調べ方」の教科書 あなたの商品がもっと売れるマーケティングリサーチ術』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。
いい情報が得られないのは「質問の仕方」のせい
「せっかく2時間かけてインタビューしたのに、大した情報が得られなかった……」
「10人に聞いて回ったのに、みんな同じことを言っていて、どう使えばいいかわからない……」
このように、誰かにインタビューやヒアリングをして集めた情報が役に立ちそうもなく、いわゆる「聞き損したな」と感じた経験はないでしょうか?
ビジネスをする上で、「ターゲット」になりえそうな人に自分の商品やサービスのどこが刺さるのかといった「セールスポイント」を探るために、相手からいろいろ聞き出そうとしても、上手くいかないことがあります。
私自身も会社に入社したての頃は、なかなか上手くいきませんでした。ヒットを生むべく、さまざまな人にインタビューをして戦略や企画の立案に使えそうな情報を引き出そうとしましたが、使える情報が集められないのです。
その一方で、インタビュー相手から必要な情報を次々と引き出し、成果をあげる先輩社員が数多くいました。
そこで、私はその先輩社員のインタビューのコツを知るために、取材に同行させてもらいました。そのインタビューでの音源データをすべて文字に書き起こし、何回も分析をしました。
その結果、成果をあげる先輩たちの質問の仕方には、ある共通があることがわかったのです。