ヒットメーカーは6つの方法で質問をしている

ヒット商品をバンバン生み出すベテランの先輩たちから見出した質問のコツは、以下の6つでした。

コツ① 「なぜ」「具体的に」「詳しく」を使って掘り下げる
コツ② 一般論を言わせない、その人の「事実」のみにフォーカスする
コツ③ 1つの質問で聞きたいことは、1つに絞る
コツ④ 明確に定義されていてわかりやすい言葉で質問をする
コツ⑤ 誘導的なフレーズを省く
コツ⑥ 「もし○○が実現できるなら?」をぶつける

例えば、あなたが「つけまつげ」を製造するメーカーで、もっと売上を増やしたいと考えていたと仮定したら、この6つのコツを実際にどのように使っていくのでしょうか。具体的なインタビュー例から見ていきます。まずは、良くないインタビュー例から見てみましょう。

コツ① 「なぜ」「具体的に」「詳しく」を使って掘り下げる
<良くないインタビュー例 その1>
質問者「あなたはつけまつげを買うことがありますか?」
回答者「つけまつげは、私には合わないので使いません」
質問者「なるほど。それでは次の質問です。普段アイメイクで使っているアイテムは何ですか?」

これだけで終わって次の質問に移ってしまっては、表面的なファクトしか引き出せず、「セールスポイント」を絞り込むことができません。

「私には合わないから使わない」という回答の内容をもっと「深掘り」して情報を増やし、回答内容の解像度を上げていく必要があります。回答者が言語化できていないインサイト(本質的な悩みや欲求)を、もっと深掘りしていくのです。

曖昧な言葉は深掘りしていく

そこで、1つ目のコツである「深掘りのキーワード」を使っていきます。まずは「なぜ」です。

コツ①:「なぜ」で掘り下げたインタビュー例
質問者「あなたはつけまつげを買うことがありますか?」
回答者「つけまつげは、私には合わないので使いません」
質問者「なぜ、合わないと感じるのですか?」
回答者「今私がしたいメイクの感じと違うんです」
質問者「なぜ、メイクの感じが違うと感じるのですか?」
回答者「派手だからですかね……今はナチュラルメイクがトレンドじゃないですか」

なぜを2~5回、少ししつこいかもしれないくらい繰り返すと、どんどん回答者の意識の深いところが言語化されていきます。

インタビューを続けていくと曖昧なキーワードがたくさん出てきます。例えば、ここでも「派手」「トレンド」という言葉が出てきました。ほかにも、「良い」「良くない」「使いやすい」「使いにくい」「好き」「嫌い」「普通」「微妙」「かわいい」「安心」「みんなが」などなど、詳しく具体的に言語化する余地のありそうな言葉は、会話の中ではよく出てきます。

このような曖昧なキーワードが出てきたときは、深掘りキーワードの「具体的に」「詳しく」の出番です。