支出を月7万7000円削減して、貯金ができる家計に改善

そこで、支出の把握と共有の目的で、夫婦でやりくりするお金と、その支出状況を共有できるプリペイドカードを利用してみることにしました。チャージをしたお金だけを使うルールにすると、自分たちで利用上限額を決められますし、カード番号があるのでネット決済や○○Payなどにひも付けて使うことできます。しかも、支払いもプリペイドカードのアプリに記録されますから、振り返りもしやすくなります。

さっそく利用をはじめ、互いに支出やお金の減り具合を共有していくと、支出にセーブがかかるようになっていきました。「相手が見ているからおかしな使い方はできない」そんな気持ちも働いたようです。

通帳を見て、困惑し頬に手を当てている女性
写真=iStock.com/yamasan
※写真はイメージです

まず、自宅で利用していたデリバリーが減りました。ミールキットを使うなど、簡単でも自分で調理をして食費をかけない工夫ができるようになりました。買い物は計画的にするようにし、回数も週に2~3回に減らしました。支出が減る(7万2000円に減額)とともに、家事や自分のための時間を作れるようになりました。

水道光熱費はやむを得ない部分もありましたが、節水シャワーヘッドを使い水道、ガス代を減らし、電気は電力事業者の変更を検討し、実際に変更をしてみました(3万8000円に減額)。

通信費については、これも極端に減らすことはできませんでしたが、仕事で必要となるネット回線を重視し、スマホは大手キャリアのオンライン専用プランに変更し、支出を抑えることに。妻のスマホは仕事先との連絡がスムーズにできるよう、かけ放題も付けました(2万4000円に減額)。

母のおむつ代など減らせないものはそのままに、ストックの蓄えすぎを見直し、消耗品の使い方も見直して早く減らない工夫をしました(日用品費2万3000→1万6000円)。そのほか、クリーニングを減らす、通院以外の移動はできるだけ自転車や徒歩でするなど行動を変え、全体で7万7000円削減できました。

今までの余剰額と合わせると、8万円ほど貯蓄に回せる見込みで、順調にいけば、ボーナスも合わせながら、1年で100万~130万円ほど貯蓄していけるかもしれません。

余剰額が安定してきたら、つみたてNISAなどでの運用も検討していく予定としました。定年までに潤沢な貯蓄を作ることは難しそうですが、退職金などと合わせると急には困らない程度のお金が準備できそうですし、会社の方針が変わって、夫は65歳まで会社に残ることもできそうだと話していることも不安を少なくする材料になっています。

急な生活の変化に介護、自分たちの老後とたくさんの困難を抱えた田中さんの家計でしたが、家計の共有が進むことで徐々に改善へと向かっています。環境の変化を受容すること、協力し合える関係づくり、そういった取り組みが、家族関係も家計もよい方向へ進めるきっかけになりました。やはり、家族間のコミュニケーションの取り方ひとつで、家計は大きく変わるのです。皆さんも、なにかにつまずいたり、困難に直面したときは、ぜひ、家族に相談してみてください。一人で抱えるよりも、ずっと良い結果に進んでいくこと、間違いなしでしょう。

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