Z世代に合わせるしかない
では、ギスギスを解消するには基準をどこに合わせたらよいでしょう?
私はより若い世代に合わせるべきであると考えます。なぜなら、これからの組織やマーケットをつくっていくのは間違いなく若い世代だからです。Ⅹ世代、Y世代、Z世代という言葉があります。
Y世代:1980年代から1990年代前半に生まれた世代
Z世代:1990年代後半から2000年代に生まれた世代
仕事のやり方やコミュニケーションの仕方をどの世代に合わせるべきか? 未来の組織とそこで働く個人の成長を考えるのであれば、Z世代に寄せていくのが健全でしょう。なぜなら、Z世代の価値観や行動特性は、VUCAの時代を生き抜くうえでも合理的であると考えられるからです。
また、Z世代は、デジタルネイティブ世代。デジタルツールを使いこなして情報の受発信を行い、素早く必要な情報を探し、素早くコラボレーションするスキルやマインドに長けています。また、「上がこう言ったから」「今までのやり方がそうだったから」ではなく、世の中の動向やその仕事の目的を考え、「なぜそうなのか?」を疑うマインドを持っているのです。自分が所属する組織や仕事が社会にどう貢献しているのかを考える傾向もあります。
そのようなオープンなマインドとスキルを兼ね備えた世代に、ものの見方、考え方、働き方を合わせていったほうが間違いなく組織は前向きに発展するでしょう。職場のギスギスを未来志向で解消していくためには、若い世代に照準を合わせて組織をアップデートしていく。それしか方法はないと考えます。
1975年生まれ。あまねキャリア株式会社CEO/株式会社NOKIOO顧問/浜松ワークスタイルLab所長/国内大手企業人事部門顧問ほか。「組織変革Lab」主宰、DX白書2023有識者委員など。日産自動車、NTTデータなどを経て現職。400以上の企業・自治体・官公庁で、働き方改革、組織変革、マネジメント変革の支援・講演および執筆・メディア出演を行う。『問題地図』シリーズ(技術評論社)をはじめ、『新時代を生き抜く越境思考』(同社)、『職場の科学』(文藝春秋)、『チームの生産性をあげる。』(ダイヤモンド社)、『仕事は職場が9割 働くことがラクになる20のヒント』(扶桑社)など著書多数。