低価格の建売住宅を買う際は、建材の統一、工法の標準化などの合理化によってコストを下げているので、個性やオリジナリティを求めすぎないほうがよいことが多い。建売住宅は、モデルハウスを一棟つくって販売することが多いので、建築前、もしくは建築中の住宅を買うこともある。その場合に個別にオーダーしすぎると、結果として高くついたり、色やデザインの調和が悪くなることもある。これらの住宅はトータルバランスの上に成り立っていると理解し、買い求めるのがよいと考える。

また、品質面の安心感は、会社によって差異がある。目安として「住宅性能評価書」の有無を確認するのがひとつの手。これは平成12年にスタートした住宅性能表示制度に基づき、第三者機関が客観的に性能を評価するもの。図面による「設計住宅性能評価」と施工状況を検査した「建設住宅性能評価」の2種類があるので、両方とも交付されているほうが安心だ。加えて、評価書が交付された住宅にトラブルがあったときには、紛争処理の態勢も整っているのも、心強い。

評価書が交付されていない住宅が安心できないというわけではない。「住宅の性能や、施工の精度を下げない仕組みがあるか」を売り主の事業者に質問するのがよい。仲介会社が販売している物件なら、仲介会社を経由して売り主に回答をもらおう。低価格な住宅であれば、消費者が品質に不安を感じるのは当然なので、品質の担保についてきちんと説明できるかどうかが見極めるポイントになる。

※すべて雑誌掲載当時