先入観なく、純粋にデータを見た結果

実はコカ・コーラでお酒をつくったのは、全世界の中でも日本向けが初めて。全世界プロジェクトとして、「新しいものにチャレンジしよう。コカ・コーラだけにしがみついていてはいけない」ということで、商品を拡大していこうという号令がかかった。日本はもともと市場環境が厳しく、イノベーションに力を入れていました。その一環でアルコールにも挑戦。そして「檸檬堂」の開発にあたり、おそらくブランドマネージャーは、先入観なくピュアにデータを見たのではないでしょうか。戦略的にデータをしっかり読み込むという外資の特長に加え、そのデータから業界の常識を覆すことを目指してコンセプトを開発した。「檸檬堂」の成功は、ベストプラクティスとして世界中のコカ・コーラでシェアされたことでしょう。

「おいしさ」という基本に忠実だった

しかし外資系企業の商品には、ややもするとコンセプト倒れのものが少なくありません。コンセプトも素晴らしいし、狙いも戦略的に完璧なのだけれど、「品質がちょっと……」みたいなことがあったりする。片や日本のビールメーカーは、ビール以外の飲料の味をつくるのがあまり得意ではないようです。

その点、「檸檬堂」は本当においしい。「前割りレモン製法」といって、レモンを皮ごとすりおろしたものをお酒に漬け込んで香りを立たせている。缶チューハイはお酒のなかでもジュースに近いので、コカ・コーラの「味を作る」技術がうまく活かせたのではないかと思います。