バラエティ豊かな日本のお菓子セットが毎月自宅に届く。こんなサブスクが「海外で売れる」と10年前に“予知”したのは、スタートアップ企業「ICHIGO」の創業者・近本あゆみさんだ。なぜ世界187カ国の人々が利用するほど人気のサービスになったのか取材した――。(第1回/全2回)

6年で売上40億円を突破、現在も成長中

日本のアニメ、ラーメン、寿司だけでない。うまい棒やミルキー、イチゴ味のキットカット、揚げせんべいが海外でウケている。仕掛ける会社は、日本の駄菓子や和菓子などを詰め合わせたボックスを海外向けにサブスクリプションで販売する「ICHIGO(イチゴ)」だ。

日本限定のお菓子など15種類を詰めた「TOKYOTREAT」、全国各地の銘菓を詰めた「Sakuraco」を、米国やイギリスなど海外187カ国に届けている。2015年創業から6年で売上は40億円に到達。販売数は累計350万個、顧客数は約560万人を突破した(2024年9月時点)。

「TOKYOTREAT」の購入ページ。2025年8月は夏祭り、9月は月見と、毎月異なるテーマに合わせた商品が届く(公式サイトより)
「TOKYOTREAT」の購入ページ。2025年8月は夏祭り、9月は月見と、毎月異なるテーマに合わせた商品が届く(公式サイトより)

ここ数年のインバウンドの好調とともに、海外で日本のお菓子の認知度が高まり、売上はさらに伸びている。

「当初、日本のアニメや漫画、ファッションといったポップカルチャーが好きだから、というのが当社のユーザーの入り口でした。今は、日本へ旅や留学をしたい、お土産でもらっておいしかった、自分へのご褒美など、間口が広がっています。つまり、まだもっといける。そう思っています」

創業者の近本あゆみ(40)は自信を見せる。

ICHIGOの前身となる会社を立ち上げたのは30歳の時。そもそも、日本のお菓子の越境ECを手掛けようと思ったきっかけは何だったのか?

1984年生まれ。2009年早稲田大学人間科学部卒業後、リクルートに入社。2015年創業の海外向け通販会社「movefast」を経て、「ICHIGO」としてお菓子のサブスクサービス「TOKYOTREAT」をスタート
撮影=プレジデントオンライン編集部
1984年生まれ。2009年早稲田大学人間科学部卒業後、リクルートに入社。2015年創業の海外向け通販会社「movefast」を経て、「ICHIGO」としてお菓子のサブスクサービス「TOKYOTREAT」をスタート