不妊症で悩むカップルは多い。そして、その約半数は男性側に原因があると考えられている。書籍『なぜオナニーはうしろめたいのか』(星海社新書)より、男性不妊症が専門の医師・小堀善友さんとTENGAヘルスケア広報の西野芙美さんの対談をお届けする——。
白いシャツを着た人
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不妊症のうち男性が原因とされる割合はどれぐらいか

【西野】泌尿器科の医師である小堀先生には、医学的な見地から「性」について掘り下げていただきたいと思います。先生のご専門は、「男性不妊症」ですね。

【小堀】不妊の問題は世界的に深刻で、6カップルに1カップルが悩んでいる、という報告があるんですよ。

ごあいさつ代わりに、読者のみなさんにクイズをお出ししましょう。「不妊症のうち、男性が原因とされる割合は、次のうちどれでしょうか?」という問いです。

①28%
②38%
③48%

【西野】一般的には、不妊症と聞くと、女性のほうに何らかの原因があると考えられがちです。

【小堀】特に男性の側に、そうした認識が強いと思います。しかし、答えは③の48%。WHO(世界保健機関)による調査で、不妊症の原因は「男性のみ」24%、「男女両方」24%、「女性のみ」41%、「不明」11%——という結果が出たのです。

【西野】不妊の半分近くに男性が関わっているわけですね。意外に比率が高いと感じる方が多いのでは。

【小堀】でも、人口の半分は男ですから、ある意味当然の結果とも言えるでしょう。まずは、そういう事実を知っていただきたいのです。同時に、ひと口に「男性の不妊症」と言っても、「原因」にはいろいろあります。

【西野】すぐに思い浮かぶのは、無精子症とかED(勃起障害)とか。