お金持ちの人の人生は「幸せ」なのか。実業家のひろゆきさんは、「本当のお金持ちの人には、ふつうの人とは違う情報とチャンスがめぐってきて、それで儲けられます。でも、『人を信用できなくなる」というデメリットもあります」という――。

※本稿は、ひろゆき『誰も教えてくれない 日本の不都合な現実』(きずな出版)の一部を再編集したものです。

ひろゆき氏
撮影=長谷英史
ひろゆき氏

日本人の平均給与は下がり続けている

日本の完全失業率は3.0%(2021年5月)と、諸外国に比べて低いです。これを、安倍晋三元首相の功績の1つと評価する人もいます。でも重要なのは、失業率が低いことがみんなの幸せにつながっているかどうかです。

国税庁の統計をみると、1997年に467万3000円だった日本の平均給与は、2017年には432万2000円と下がっています。同じ期間のアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスなどの平均給与が1割以上増えているのに対して、日本の場合は減っているのです。

また、2019年には年収200万円以下の人が初めて1200万人を超えました。日本で働いている人が5000万人ぐらいだとすると、その4分の1近くの人が年収200万円以下なのです。

驚かされるのは、1200万人を超えたのが史上初めてだということです。昭和の時代には、いまほど働きながら生活に苦しんだ人がいなかったことにほかなりません。

では北欧のように福祉が手厚いかといえば、どうでしょう。

たとえばデンマークは税金が高いので手取りは少ないですが、仕事を辞めるとずっと失業保険がもらえます。日本は失業しても一定期間しか失業保険はもらえませんし、生活保護にも高いハードルがあります。つまり、高収入ともいえず、かといって福祉が手厚くもないので、失業率が低くても幸せな生活につながっているとはいえないのです。

ただし、僕は別に、収入が少ないから幸せには生きられないとは思いません。お金がなくても幸せに生きることはできると思います。ただ、多くの人はお金が多いほうが幸せになりやすいとは思ってますね。