コロナ禍による働き方の多様化に伴い、議論が高まりつつある「選択的週休3日制」。希望すれば週に3日間休めるもので、一見、会社員にとってはいいことずくめのように思えます。しかし、本当にそうなのでしょうか。立命館大学教授の筒井淳也さんが指摘する「意外な副作用」とは──。
家事育児との両立に余裕ができる
選択的週休3日制は、社員のうち希望する人が1週間あたりの休みを従来の2日から3日にできる制度です。最近は導入する企業が増えつつあり、政府も導入を後押しする姿勢を見せ始めました。
個人的には、週休3日そのものはとてもいいことだと思います。特に、家事育児や介護などと仕事を両立している人にとっては、勤務体制としてはそのぐらいのペースがちょうどいいのではないでしょうか。ウィークデイではないと済ませにくい私用も、週休3日であれば対応しやすいでしょう。
個人差はありますが、9時から17時の一般的な勤務でも、週末にはヘトヘトになっていて夫婦で家事を分担していても、仕事との両立は「ギリギリできている」ぐらいのケースは多いと思います。
男性の家庭参加も進む
もし希望する人全員が週休3日になったら、男性の家庭参加はもっと進むでしょうし、家事育児や介護とも「ギリギリ」ではなく余裕を持って両立できるようになるはずです。その点では、この制度には大きなメリットがあると言えるでしょう。
しかし、この制度は、単純に導入するだけだと副作用も伴います。導入する企業を増やし、その後スムーズに運用していってもらうためには、事前に副作用対策をしっかり考えておかなければなりません。