今ある紙資料を潔くバッサリ捨てるべし

紙資料が増えてくると、欲しい資料がすぐに見つからなかったり、どれが最新版かが分からなくなったりするなど、混乱が生じやすくなります。それなら紙資料を全てデジタル化すれば問題解決かと思うかもしれませんが、量が多すぎると混乱が生まれるのは、紙もデジタルも同じです。

そもそも不要な情報であれば、デジタル化する時間すら無駄ですし、デジタル化した後の参照時間や廃棄時間など、余計な間接時間が増えるだけです。なので、身近な情報を適量に保つには、安易なデジタル化はせず、まずは紙の状態で思い切って捨てることを検討した方がいいでしょう。

過密くずかごに代わるものとしてペーパーレス オフィス
写真=iStock.com/Ralf Geithe
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ただここで、「捨てる基準」がないと、紙はどんどん溜まっていくことになります。

「いつか必要になるかも」が実現することは滅多にありません。捨てる基準は、「再利用性」、「再入手性」、「入手価値」、この3つです。つまり、再び使う可能性が低く、再入手が可能で、安価に入手できるものであれば、あれこれ考えずにバッサリ捨ててしまっていいのです。最初は抵抗感があるかもしれませんが、繰り返すうちに次第と慣れていくはずです。

はがきやDMは「即廃棄」の習慣を

電子メールがこれだけ普及しても、いまだ年賀状や事務所移転の挨拶はがき、宣伝DMといった紙の郵便物が届くことがあると思います。これらは放っておくと、いつのまにかデスク上を侵食していき、集中力や時間を奪う原因になってしまいます。

仕事に必要でないはがきやDMは、住所や連絡先が変更していないかだけチェックして、即廃棄する癖をつけましょう。

ちなみにうちの会社では年賀状の当選チェックはしません。それによって確実に失う時間と不確実な当選で得られる価値とを比較して、即廃棄するのが妥当だと考えています。DMに付属しているクーポンなども、管理工数が増えることから、即捨ててしまいます。目先の小さな利益に惑わされることなく、身辺をシンプルに保つことで、自然と時間の余裕を持てるようになります。

ペーパーレスを推進する上でありがちな過ちは、なんでもデジタル化してしまおうとすることです。「不要な情報はそもそも持たない」という姿勢を貫き通すことが大切です。