提案3:おじさんよ、自分のキャリアを取り戻せ

多くの日本企業では「人事権」を持つ企業側が個人のキャリアを握っています。しかし、これからは「自分のキャリアを自分に取り戻す」キャリアオーナーシップが大事です。

白河桃子『働かないおじさんが御社をダメにする』(PHP新書)
白河桃子『働かないおじさんが御社をダメにする』(PHP新書)

先日、『プロティアン 70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術』(日経BP)の著者で、法政大学キャリアデザイン学部教授の田中研之輔さんと対談する機会がありました。その時に「この本はコロナ前に40代の『キャリア迷子』な人たちに向けて書いたが、コロナ後はすべての人のための課題になった」と言っていました。

プロティアン・キャリアとは、ギリシャ神話に出てくる「思いのままに姿を変えられる神」プロテウスから取った言葉で、社会や職場の変化に応じて柔軟にキャリアを変えていく「変幻自在なキャリア」を意味する、と田中さんは述べています。

私がこの本をお勧めするのは「キャリア迷子」のための「羅針盤」や「地図」になるからです。「こうして転職した」という成功譚がいくらあっても、それはその人個人の物語です。成功した人の書いたビジネス本をいくら読んでも実は役に立たない。その人はあなたではないからです。しかし『プロティアン』では、自分の手にキャリアを取り戻すための「羅針盤」や「地図」が具体的に述べられています。

3つのキャリア資本

ここでは、そんな羅針盤の1つ「キャリア資本」をご紹介します。キャリア資本とは、以下の3つのことです。

1.ビジネス資本(知識・スキル)
2.社会関係資本(人的ネットワーク、コミニュティ)
3.経済資本(いわゆる経済力)

「ビジネス資本」と「社会関係資本」の蓄積は、結果的に「経済資本」に転換される可能性が高いと言います。私も自分のキャリアを分析すると「社会関係資本」(私の場合はNPO法人の若手経営者などとのつながり)から得た知識が、企業のSDGsのアドバイザーをするときなどに役立つことがわかりました。

さらにプロティアン・キャリアの良いところは、「生活」も含めてキャリアと定義しているところです。仕事だけにフォーカスしても、大きな資本は得られない。家族との関係、趣味や地域活動、様々なものが「資本」になるのです。