変化に対応できなくなる“おじさん化現象”にいかに抗うか。性別や年齢を問わず、普遍的な課題です。ジャーナリストの白河桃子さんが提案するおじさんが変わるための秘策とは――。

※本稿は、白河桃子『働かないおじさんが御社をダメにする』(PHP新書)の一部を再編集したものです。

ToDoリストを作る男性の手元
写真=iStock.com/Tatiana Atamaniuk
※写真はイメージです

変化への対応力が低いおじさんはどうしたらいいのか。ここではミドルシニア本人に対して、いくつかの提案をしたいと思います。

提案1:おじさんよ、旅にでよ、ワーケーションせよ

APU(立命館アジア太平洋大学)学長の出口治明さんと対談したとき、私は「どうしたら個人の生産性を高められるか?」という質問を出口さんにしたところ、出口さんはこう答えました。「労働時間を2時間×3〜4コマにして、ちゃんと休んで、『人・本・旅』の生活をすることです」と。

「人・本」とは、人に会い、本を読むこと。最後の「旅」は、現場に行くことです。おいしいパン屋さんができたら、行って、買って、食べて、初めておいしさが分かる。脳に刺激を与えなければ、アイデアなんか出てこない。「メシ・フロ・寝る」から「人・本・旅」へのシフトが必要だと、出口さんは力説しておられました。

ここに私がもう1つ付け加えるとしたら、「旅」にワーケーションを入れてもいいでしょう。コロナ下でのリモートワークは「過去の貯金」に依存したものと言われます。前にあったことがある人、すでに関係のできている人とはリモートでもうまくいきます。しかし「過去の貯金を超えて、新しい人とどう出会うか?」という問題が出てきます。そうしないとビジネスが広がらないからです。その解決のヒントが「ワーケーション」にはあります。

場所に縛られず、気分が上がる場所で働く

私もコロナになって初めてワーケーションを南紀白浜と豊岡市で体験しました。ワーケーション先進圏で、聖地とも言われる南紀白浜では、目の前は海という絶好のロケーションの中、ホテルでも街中の施設でもリモートで働く環境が整っています。さらに先進圏には、「地域の人」と交流するポイントも仕掛けられています。場所に縛られず、気分が上がる場所で仕事をし、さらに「新しい交流」から生まれるものがビジネスに還流される。テレワーク嫌いの人こそ、ぜひワーケーションをお勧めしたいです。