音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」が話題を集めている。どんなユーザーが多いのか。SNSコンサルティング企業・ROCの坂本翔社長は「TwitterやInstagramのような若者が多い印象はなく、どちらかというと年齢層が高めでSNSをビジネスツールとして活用しているFacebookのユーザー層に近い」という——。
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写真=iStock.com/miya227
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Clubhouseとは

日本で急激に流行しはじめた音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」。2020年4月にローンチされ、当初はシリコンバレーのベンチャーキャピタル界隈のごく限られた人が利用していたアプリでしたが、運営会社の大型資金調達をきっかけに、世界中で流行しています。

「room」というスペースを作成したり、そこに参加したりすることで、他のSNS同様フォローする/しないという仕組みはあるものの、フォローし合っていなくても簡単に会話ができる仕組みになっています。

また、現在はiPhoneのみで利用できるアプリです。

優越感、取り残され感…急激な流行の背景にある“感情”

急激に流行している背景には、「完全招待制」という点が大きく挙げられます。一人につき最初は2人まで招待できる枠があります。その後、「招待枠が増えた」という方もSNS上でよく見かけることを考えると、詳細なアルゴリズムは不明ですが、おそらくClubhouseへの貢献度によって、その枠が増えていることが考えられます。

具体的には、毎日一定時間視聴しているなどサービスの利用時間が長いユーザーや、頻繁にroomを立ち上げて発信しているなど、そのようなユーザーには2枠の招待枠を消費しても、追加で招待枠が配布されているようです(サービスの利用期間や招待数に応じて配布されるという説もあります)。

また、他のSNSのようにコンテンツが残らないため、「聞き逃すと二度と聞けない」という今だけ感があり、「FOMO(fear of missing out:取り残されることへの恐れ)」をうまく利用したマーケティングが成功していると言えます。

「招待された」という優越感から、SNSへの投稿ハードルも下がっている傾向があり、「招待してもらいました! ぜひフォローしてください!」というようなTwitterなど他のSNSでの投稿も、Clubhouseの拡散に寄与したと言えます。

コロナウイルスの感染拡大によるリモートワークの普及や外出規制により、人と接する機会が格段に減り、一人暮らし世帯だと、「丸一日一言も喋らなかった」という話もよく聞く時代になりました。このような社会的な背景も大きく影響しています。