部屋に置く理由を言語化してみよう

部屋にあるモノを、1つ手に取ってみてください。そのモノはなぜそこに存在するのでしょうか?

モノを所有する理由は基本的に、

・使うから
・愛しているから

このどちらか(あるいは両方)です。

ほかにも、コンプレックスやしがらみ、執着で捨てられない場合や、処分するのが面倒で、漫然とそこにある場合もあります。

「使う」「愛している」のなかでも、使用シーンだったり愛する理由だったり、その背景で分類すると、人それぞれさらに細分化されていきます。

・家族との思い出のモノ
・好きなアーティストを応援するためのモノ
・なりたい自分になるための自己投資
・希少価値の高いコレクションアイテム

など、一口に「愛するモノ」といってもさまざまな種類が存在します。

「なぜ」を繰り返せ

片づけの真髄は、所有の意味と向き合うことです。モノをいま持っていることに対して「なぜ?」を繰り返し、その理由に応じて最適な配置をしていくことで、部屋は使いやすく機能的になります。モノの所有は、禅問答に近いです。「なぜ必要か?」を繰り返し、モノと自分の関係性を言語化しましょう。

なぜ?の文字
写真=iStock.com/Hanna Vashcula
※写真はイメージです

たとえば「この着物は、着る予定はないけれど、愛するおばあちゃんが遺したものだから、捨てたくない」というケース。この感情を、「愛」と分類するか「しがらみ」とすべきか、本人でも判断が難しいですよね。明確な分類は難しくても、このように理由を深掘りできると、次のステップ(「洋服やバッグにリメイクする」「大切に着てくれる人に譲る」など)を提案しやすくなります。

「私はこのモノを、こういう理由で所有しているので、このように部屋に置くのが適切だ」というように、自分が納得できるストーリーをつくりましょう。一度定義を決めてしまえば、衣替えや引っ越し、ライフスタイルの変化など、モノと向き合うタイミングで行なう判断がグッと早くなりますよ。

クライアントさんの部屋の片づけでは、ビニールシートの上で4象限のマトリックス表を作ってモノを分類することが多いです。コレクション品であれば、縦軸に愛着、横軸に手に取る頻度とします。自分のなかで愛着順に持ち物をランキング付けすると、大好きなコレクション品に、より新鮮な気持ちで向き合えるようになりますよ。