モノのトラブルが原因で結婚を後悔する夫婦が5割

「パートナーがすぐに部屋を散らかす」「家族が非協力的だから部屋が片づかない」と不満に感じている方もいます。株式会社サマリーが行なった調査によると、モノについて揉めた経験のある夫婦は約7割、モノのトラブルが原因で結婚を後悔している夫婦は約5割にものぼるそうです。

あなたがもしご家族とのあいだでモノに関する悩みを抱えていても、それはよくあることなのです。そういう方は、相手を変えるより、「家庭のルール」を変えて解決しましょう。片づけが苦手な人に「片づけろ」と言っても、その場しのぎの行動をとるのが関の山で、ほとんど意味がありません。大切なのは、共有スペースと個人スペースを明確に線引きし、個人スペース内はお互いに口出しをしないことです。それぞれに個室がある場合は、明確にスペースを分けやすいでしょう。洗面所など共有で使う場所においても、棚の段ごとに収納スペースを分けて、各自のスペース内でやりくりするようにします。

「出しっ放し」は夫婦で改善する

不思議なもので、パートナーのモノは、自分のモノより目障りに映るものです。「出しっ放しで、片づけてくれない」などと文句を言う前に、「モノを出した後、元に戻しやすい環境になっているか?」を振り返りましょう。リビングにパートナーの服が脱ぎ捨てられていたら、「リビングに脱衣カゴを設置しようか?」と提案してみてはいかがでしょうか。調味料を出しっ放しの場合、そもそも調味料ケースにモノが詰まっていて戻しにくいだけかもしれません。一度パートナーと「全部出し」にチャレンジしてみてください。

米田まりな『集中できないのは、部屋のせい。 東大卒「収納コンサルタント」が開発! 科学的片づけメソッド37』(PHP研究所)
米田まりな『集中できないのは、部屋のせい。 東大卒「収納コンサルタント」が開発! 科学的片づけメソッド37』(PHP研究所)

あなたが、パートナーよりも片づけが得意ならば、相手に合わせて収納の難易度を下げましょう。大人も子供も、片づけが得意な人も苦手な人も、忙しい人も忙しくない人も簡単に片づけられる、ユニバーサル(汎用的)な設計にすれば、家族も自分もラクになります。

そもそもパートナーのモノが多すぎて、イライラを募らせている方もいるかと思います。自宅の収納スペースは限られています。そんなときは、スペースを均等配分した後、モノが少ないほうが多いほうに場所を譲りましょう。2人のモノが多い場合は、使用頻度の低いモノを外部収納サービスに預けます。出産など、「引っ越しはできないが、家族のモノが増える」タイミングにおいても、この方法は有効です。

夫婦で話し合うと大喧嘩に発展してしまうことも。どうしても解決できなければ、私たち整理収納アドバイザーに相談してください。第三者からの客観的な指摘であれば、気持ちよくルールを受け入れられるかもしれません。

米田 まりな(こめだ・まりな)
整理収納アドバイザー

脚本家の祖父・研究者の父の影響を受け、茨城県・宮城県でモノに囲まれた幼少期を過ごす。2014年、東京大学経済学部卒業後、住友商事に入社。Eコマース領域の事業投資を担当。18年、株式会社サマリーに出向、収納サービス「サマリーポケット」の運営に従事する。現在は大手不動産デベロッパーで働く傍ら、プライベートで整理収納アドバイザー(1級)の資格を活かし、副業としてイベントや雑誌監修、記事執筆など多方面で活躍。作家・デザイナー・起業家から一般の家庭まで幅広い層に向けて片づけのコンサルティングも行なっている。著書に『集中できないのは、部屋のせい。』(PHP研究所)、『あの人にイライラするのは、部屋のせい。』(PHP研究所)がある。