国産食品は安全だと言われてきたが果たして本当なのか。ノンフィクション作家の奥野修司氏は「コンビニで流通しているすべてのペットボトル入り緑茶から、農薬が検出された。日本の農薬残留値の基準は海外と比べて非常にゆるく、輸出しようとすれば検疫を通らないほど。人体に深刻な影響を及ぼしている可能性もある」という――。
※本稿は、奥野修司『本当は危ない国産食品 「食」が「病」を引き起こす』(新潮新書)の一部を再編集したものです。
ペットボトル入り茶飲料のすべてから農薬が検出された
食事の時に出されるものと言えばお茶。会議の席でも接客の時も、たいていお茶が出される。もちろんその中に危険な物質が溶けているなんて思わないから、私たちは無意識に手を伸ばして飲んでいる。ところが最近、環境ホルモン学会の理事会などでは、お茶が出されなくなったそうだ。なぜ?
図表1は、日本で販売されている茶葉とペットボトルの緑茶に農薬が含まれているかどうかを調べたものである(*1)。茶葉は国内のスーパーなど食料品店で、「ペットボトル入り茶飲料」はコンビニでと、誰でも買える店舗で購入したものだ。
「農薬名」は、ネオニコチノイド系農薬(ネオニコ)という最新のもので、日本が認可しているのはここにあげた七種類である。
「残念なことに、日本のお茶からは100%、ネオニコチノイド系農薬が出ました。この農薬は水に溶けやすいので、お湯で抽出されたんですね。これは事実として受け止めなくてはならないと思う。ただ、検出された濃度は、残留基準値の数%にすぎませんので過度に心配する必要はないです」
こう語るのは、この衝撃的な事実を調査したチームの一人、北海道大学の池中良徳准教授だ。
検査した茶葉は39検体、ペットボトルのお茶は9検体で、そのすべてからネオニコが検出されたのである。茶葉から抽出したお茶に比べてペットボトルのお茶の数値が小さいのは、使われている茶葉の量が少ないからだろう。
いずれにせよ、私たちの体は、お茶を飲むことで、農薬に汚染されているのだ。
*1 Yoshinori Ikenaka et al:Toxicol Rep. 2018 Jun 19;5:744-749.