②お金にあまり執着が無い

これには驚く人がいるでしょうね。「お金に執着が無い、ってどういうこと?」「お金に執着があるからお金持ちになれるんじゃないの?」と考える人が多いはずだからです。でもこれは真実です。これは一体どういうことかというと、「リスクを取ることに抵抗がない」性格だということを言っているのです。

行動経済学のプロスペクト理論によれば、人間は本質的に“損失回避的”だと言われています。これをわかりやすい言葉で言い換えれば「人間は損をするのが何よりも嫌い。儲からなくてもいいから損だけはしたくない」ということです。損をしたくないということはお金に執着があるからです。でも本当にお金を儲けようと思ったら損をすることも覚悟の上でリスクを取ってチャレンジするしかありません。結果的に儲かる場合も損をする場合もありますが、大事なことは損をしてもそれを糧として次にまたチャレンジすることです。ところがお金に執着があって、何よりも損だけはしたくない、という気持ちが強いと、大事な勝負すべき時に勝負できないことになります。

「損してもまた稼げばいい」と考えられるか

さらに言えば、仮にうまくいかなくて損をしたとしても「また稼げばいいや」あるいは「また天引きで資金をこしらえればいいや」と思うことができればリスクを取ることに躊躇しなくなります。つまりお金に対する執着が無いというのは、その気になればいつでも稼ぐ能力とその意思を持っているからできることなのです。逆にお金を失うことを恐れてしまうと何もできなくなり、堅実な運用しかできなくなってしまいます。たとえサラリーマンであったとしても勝負すべき時に勝負をした人が結果的には成功しているのです。

例えば株式投資で言えば、私がサラリーマンをやっていた40年近い間にリーマンショックぐらいの暴落は少なくとも4回経験しています。勤め人であれば、日々の仕事が忙しいので、そんなに株式の売買などは頻繁にできません。でもこういう暴落の時に思い切って少しまとまった資金を入れた人はその後大きな成功を収めています。まさにお金に執着が無いからこそ、思い切った行動が取れるということなのです。