墓を引っ越すなら
更地にして戻すのに数十万円はかかる!

親許(実家)を離れて暮らしている世帯にとって、先祖代々のお墓をどのように引き継いでいくのかという問題は切実な悩みです。

遠くてお墓参りが難しいのなら、「お墓の引っ越し(改葬)」も選択肢の1つです。引っ越しといっても、勝手に墓地からお骨を移動させるのは立派な犯罪。「墓地、埋葬等に関する法律」の規定に則って、きちんと法的な手続きを踏む必要があります。

想像以上に手続きが煩雑!「お墓の引っ越し」スケジュール

手続きは、図のようになります。新しく入る墓地の管理者から受入証明書を発行してもらい、現在の墓地(菩提寺)の管理者から記名・捺印をもらった埋葬証明書などを市区町村の役所・役場に届け出て、改葬許可を申請。改葬許可書が交付されたら、それを移転先の墓地に提出して引っ越します(自治体により手続きは多少異なる)。

実際に改葬した人に話を聞くと、皆さん口を揃えて、「新旧のお寺や役所に何度も足を運んで、やり取りしなければならないので、想像以上に手続きが面倒だった」といいます。

気になる費用ですが、新しくお墓を建てる費用のほか、お寺によっては、それまでの墓地を更地にして戻す費用(30万~50万円前後)がかかります。お墓を引き揚げるときには「閉眼供養(魂抜き)」、移転先では「開眼供養」をしてもらうので、そのお布施も必要となります。菩提寺には、これまでお墓の面倒をみてくれたわけですから、感謝の気持ちを示すのは最低限のマナーといえます。