築年の古いマンションにも、メリットはある。都心部や駅前などの早くから開発された立地に立っていることが多く、人気エリアで探すにはもってこいな点だ。

しかも、価格はかなり下がっているので、高級マンションがお手ごろ価格で買えたり、一般のマンションが1000万円台などの低価格で買えたりする。こうしたメリットを生かせば、好立地にこだわったり、予算内でも広さなどの条件にこだわったりした買い方ができるのだ。

「10年落ち物件」の項目で説明した時代分けでいえば、「商品企画競争時代(1983~87年)」や「マンションバブル時代(88~91年)」などを狙って、お手ごろ価格で購入したものにリノベーションを施すという、賢い買い方をするのもお勧めだ。

商品企画競争時代以降のマンションであれば、「新耐震基準」で建てられているので、耐震性のうえでは安心感がある、これに、リノベーションに慣れたリフォーム会社や設計事務所に全面改修を依頼して、今の暮らしに合うように刷新してもらえば、その後も長く快適に暮らせるマンションに仕上げることができるだろう。加えて、自分の好みも反映できるので、自分だけのオリジナルなマイホームを手に入れることも可能だ。

プロが改修したリノベーション物件を買うという手も

財団法人東日本不動産流通機構の調査結果(「築年数から見た首都圏の不動産流通市場」)では、首都圏の2007年に成約した中古マンションの平均価格で、築16~20年は1756万円、築21~25年は1862万円となっている。

古いマンションのチェックポイントは!?

古いマンションのチェックポイントは!?

リフォーム工事は大掛かりになるので、最低でも500万円以上はかかるだろうが、合計しても2000万円台半ばで済む。リフォーム工事費を加算すれば新築より割高かもしれないという不安は、杞憂といえるだろう。

ただし、古いマンションは玉石混交だ。施工がしっかりして管理もよいマンションもあれば、質が悪くて手の施しようがないマンションもある。それを正しく見分けるには、プロに手助けしてもらう必要もあるだろう。

そこまでするのは面倒という人には、「リノベーション・マンション」を買うという方法もある。リノベーション・マンションは、不動産会社が中古マンションを買い取って、あらかじめ新築マンション並みにリノベーションをしたうえで売り出すものだ。改修済みなので、自分好みのプランにすることはできないが、リノベーションに慣れたプロのチェックが入っているので、手軽にかつ安心して、改修済みの中古マンションを手に入れることができるということだ。

このとき注意してほしい点は、単なるリフォーム済みマンションとリノベーション・マンションを混同しないこと。

機能の向上も含むリノベーション物件なら、リノベーションというからには、改修図面や施工個所の詳細などの情報を公開し、アフターサービス保証をつけているなど、工事内容に責任も持っている。購入時には、それらの詳細情報や保証の内容をしっかり確認する必要がある。