コロナショックで生き残れる企業、生き残れない企業

新型コロナウイルスの発生によって、わが国経済は依然としてかなり厳しい状況にある。特に、世界的なパンデミックの発生によって、今の社会に何が必要で、何が必要でないかが明確になった。例えば、飲食、宿泊、観光、プロスポーツ興行、テーマパークなど無意識のうちに“人の外出”が前提となってきた産業への影響は深刻だ。

2020年5月25日、路上で待機するフードデリバリーの配達員(東京都中央区)
写真=時事通信フォト
2020年5月25日、路上で待機するフードデリバリーの配達員(東京都中央区)

反対に、世界が感染を克服するために不可欠なワクチン開発を支える医薬品や医療、マスクなどの医療資材、物流、ITなどの重要性が飛躍的に高まっている。在来産業からITなど先端分野への生産要素のシフトが加速化し、業界および企業間の優勝劣敗がかつてないほど鮮明だ。今後、そうした変化はさらに勢いづくだろう。

コロナショックによって、わが国はIT後進国であることがはっきりした。わが国企業はその教訓を生かして“デジタルトランスフォーメーション(DX)”や、多くの消費者が欲しいと思う新しいモノやサービスの創造に取り組まなければならない。それを愚直に進めることが、変化への適応力と企業の生き残りを左右する。