制度は整ったのに、女性活躍が一向に進まない
産休・育休など、職場で女性に配慮した制度はひと頃より色々そろってきましたし、あからさまな男女差別は見られなくなりました。けれど、男女等しくチャレンジの機会が与えられておらず、女性の活躍がいっこうに進まない……そんなモヤモヤした状態は、今年の新型コロナ禍でいっそう強まっているように思えます。
なぜ女性管理職が増えないのか。その解決の糸口としてクローズアップされているのが、「アンコンシャス・バイアス」です。
アンコンシャス・バイアスとは、自分では気づかないものの見方・考え方の歪みのことで、いわば自分にとって「当たり前」の固定観念。誰にでもある脳の働きで、「普通は○○だ」「当然、●●すべき」といった言動に潜んでいることがあります。
例えば、「女性は○○なもの」「若いうちは▲▲しなければ」といった性別や年齢などの属性に基づくアンコンシャス・バイアスは、3~5歳の間に構築され、後からこれを完全に払しょくすることは難しいと言われています。
でも、自分にもあるのだということを認知できれば、自らコントロ-ルすることは可能です。そうすることで多くの「当たり前」を打破できれば、多様なアイデアを埋もれさせることなく、イノベーションを起こせるのではないか――アンコンシャス・バイアスがビジネスシーンで注目されるのはこのためです。