制度や環境が整いつつあるのに、女性管理職がなかなか増えないのはなぜなのか。多くの企業で、その背景にある「アンコンシャス・バイアス」への注目が高まっています。アンコンシャス・バイアスに向き合うeラーニングツールや研修を提供し、組織の変革をサポートしてきたチェンジウェーブ副社長の藤原智子さんに話を聞きました。
年配のビジネスマン
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制度は整ったのに、女性活躍が一向に進まない

産休・育休など、職場で女性に配慮した制度はひと頃より色々そろってきましたし、あからさまな男女差別は見られなくなりました。けれど、男女等しくチャレンジの機会が与えられておらず、女性の活躍がいっこうに進まない……そんなモヤモヤした状態は、今年の新型コロナ禍でいっそう強まっているように思えます。

なぜ女性管理職が増えないのか。その解決の糸口としてクローズアップされているのが、「アンコンシャス・バイアス」です。

アンコンシャス・バイアスとは、自分では気づかないものの見方・考え方の歪みのことで、いわば自分にとって「当たり前」の固定観念。誰にでもある脳の働きで、「普通は○○だ」「当然、●●すべき」といった言動に潜んでいることがあります。

例えば、「女性は○○なもの」「若いうちは▲▲しなければ」といった性別や年齢などの属性に基づくアンコンシャス・バイアスは、3~5歳の間に構築され、後からこれを完全に払しょくすることは難しいと言われています。

でも、自分にもあるのだということを認知できれば、自らコントロ-ルすることは可能です。そうすることで多くの「当たり前」を打破できれば、多様なアイデアを埋もれさせることなく、イノベーションを起こせるのではないか――アンコンシャス・バイアスがビジネスシーンで注目されるのはこのためです。