アンコンシャス・バイアスを軽減する3ステップ

こうしたバイアスを極小化するために、弊社のeラーニングツールや研修では、以下の3つのステップを提案しています。

1)「知る」ステップ:アンコンシャス・バイアスがいかなるものかを知る、一般的なレベルの知識を得る
2)「気づく」ステップ:自分と周囲にどんなバイアスがあるかに気づく
3)「コントロールする」ステップ:どうすれば自分の中にあるバイアスをコントロールしていけるかを学ぶ

アンコンシャス・バイアスの対処に取り組まれている企業様は皆一様に「女性本人に対するアプローチだけでは限界がある」とおっしゃいます。女性をエンカレッジしようと様々な打ち手を講じても、その周囲の上司や家族や、その他いろんな方々に対し、併せてアプローチしていかないと、女性の活躍は難しいというのです。

「女性を特別扱いしていない」と思っている人が多い

例えば1)のステップで、前述のようなアンコンシャス・バイアスについての知識を伝えても、「アンコンシャス・バイアスというものがあるのか。でも、私には関係ない」と思っている管理職が多いんです。管理職の多くは、部下が女性だからといってそんな特別扱いなんかしてない、と思い込んでいるので、なかなか行動が変わるまでには至らないと人事やダイバーシティ担当者はおっしゃいます。

そこで2)の「気づく」ステップに入ります。自分のものの見方・考え方に、「実はバイアスがあるのだ」ということを、定量的に知ることが大事です。管理職の方々は自分のバイアスがどのくらいか、知る機会がないですし、できることならバイアスはあって欲しくないと考えている方が多いようです。これを定量化して示すためのテストが前述のIATです。

ここで大事なのは、できるだけクローズドで安心・安全な環境を用意することです。「自分にはこんなバイアスがある」ということを研修などの場でオープンにするのは心理的にも抵抗がありますよね。弊社がeラーニングツールを開発し、人事担当者であっても受講者のデータから個人名が特定できないようにしているのは、そのためです。クローズドな場で自分自身と対話し、内省できるようにしています。