初日は1日で1000人以上が来店
訪れたのは、土曜日の午後。JR有楽町駅から徒歩1分の好立地にある有楽町店は、比較的若いカップルやファミリーを中心に、想像以上ににぎわっていました。
「もっとも、今はコロナ禍なので、人数制限をかけられる仕組みなんです」と北川さん。
具外的には、店内のAIカメラによって、店に何人がとどまっているかをリアルタイムで把握。ある一定人数を超えるとゲージが赤くなり、スタッフがそれを認知して、入口で「少しお待ちください」とストップをかけられるとのこと(※新宿店〈新宿マルイ本館〉は、平場への出店のため制限はかけられないが、商品間隔を空けて密を防いでいる)。
グランドオープン初日は、有楽町と新宿、どちらの店にも1日1000人以上もの顧客が足を運んだそうです。「ただ、あまりにお客さまが殺到されると、店の前でお待たせすることになる。それはそれで申し訳なく、ジレンマはあります」と北川さんは言います。
店内にはデータ解析用に22台のカメラ
私がまずチェックしたのは、「店内カメラ」。有楽町店には、天井に顧客の行動導線などをデータ解析するためのカメラ(ここでも顔など個人情報は取得しない)が、22台あるそうですが……、ほとんど見つけられなかったほど。色や形状、角度などに工夫を凝らし、できるだけ気にならないように取り付けてあるそうです。
また、店内を俯瞰して見た印象は、圧倒的にスタイリッシュな商材が多いということ。メインは毎日の暮らしにこだわりのある“オトナ”が購入しそうな、付加価値の高い商品です。
たとえば、スピーカー。「感動のトースター」ですっかり有名になった「バルミューダ」のスピーカー(BALMUDA The Speaker)【写真】は、3万2000円、メルセデスベンツやBMWにも商品供給するカーオーディオの一流ブランド「Harman Kardon(ハーマンカードン)」のスピーカー(Aura Studio 3)は、3万800円(いずれも掲載時店頭価格/税別)、といった具合。
そもそも、少し高額な商品であるからこそ「買う前に、店頭で試してみたい」とのニーズも高い。一方で、有楽町店には雑貨類など、500円程度の商品も置いてあり、「他の人と被りにくい品ぞろえなので、知人へのプレゼントにしたい」と希望する女性客も少なくないそうです。
シンプルすぎるパッケージ……その理由は
ほかにも、3Dスキャナ技術でオーダージーンズを作れる「STAMP(スタンプ)」や、今回、実店舗に初出店した「AGILE COSMETICS PROJECT(アジャイルコスメティクスプロジェクト)」【写真】なども女性に注目度が高いと、北川さんは言います。
前者は、店内にある3Dスキャナで体型を読み取り、そのデータを基に自分にピッタリのジーンズを作れるサービス。計測はわずか3秒で完了。また、一度記録したデータがその後のオーダーにも活かせるほか、「背の低いお客さまなど、ジーンズの丈詰めに時間を要していた方にも好評です」と北川さん。
他方の後者は、肌に優しい天然有用成分を原料としたコスメブランド。失礼ながら、初め見た印象で「パッケージがシンプルすぎるのでは?」とも思いましたが、すぐにスタッフがその理由を教えてくれました。
「このブランドは、ご購入いただいたお客様の声を基に、つねに製品を『迅速に(アジャイル)』アップデートしていく、というコンセプトで創られているんです」
なるほど、アップデートにあたっては、b8ta(ベータ)の店頭をはじめとした場で顧客の声をつかみ、その声を取り入れて商品を『迅速に』改良したい。だからこそ、パッケージをできるだけシンプルにし、その時々のニーズにあったコスメを、なるべく早く世に出せるようにしている、とのこと。