先のことを考えすぎず、ゆったり構えましょうよ

今回のコロナ禍もそうですが、災害や国際情勢など、今は予測のできないことがたくさん起こる、変化の多い時代です。ですから、先のことを予測しようとしてもしょうがない。ベストな道を探したり、真っすぐわき目もふらず歩こうとしたりするよりも、あちこち見回してキョロキョロしながら「このあたりがベターかな」と探りつつ、肩の力を抜いてゆったり構えた方がいいでしょうね。

私も「次はどんなアプリをつくりたいですか?」とよく聞かれますが、答えてしまうと自分にプレッシャーがかかっちゃうから言わないんです。「また絶対に新しいものを作ろう」とも思っていないんです。世の中も技術も変化していますから、これから自分に合うものがあれば作るかもしれないし、作らないかもしれない。なんでも、あまり先の準備をしたりはしません。先のことはわかりませんから。

ですから「好きなこと」や「趣味」を見つけたいという人も、あまり先のことを考えず、とりあえず「楽しそう」と思ったことに飛びついていけばいいのではないかなと思います。

構成=池田 純子

若宮 正子(わかみや・まさこ)
世界最高齢プログラマー

1935年、東京生まれ。東京教育大学附属高等学校(現・筑波大学附属高等学校)卒業後、三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)へ勤務。定年をきっかけにパソコンを独学で習得。シニア世代のサイト「メロウ倶楽部」の創設に参画し、副会長を務める。2016年からiPhoneアプリの開発を始め、2017年には米国アップルによる世界開発者会議に招待される。政府の「人生100年時代構想会議」の最年長有識者メンバーにも選出。著書に、『独学のススメ 頑張らない! 「定年後」の学び方10か条』など。