水分を取ると心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクを下げる。そして免疫機能を正常化させて感染症の回復にも役立つのだ。
白い背景に水のグラス
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科学データが示した最強の飲料は「水道水」だった

感染症の予防や、感染してしまったときの回復に役立つのが、水の摂取。「ウイルス感染症は脱水を改善すると良くなることが知られている」と、総合内科専門医の大和田潔氏(秋葉原駅クリニック院長)が言う。

「まず感染すると発熱、下痢や嘔吐などによる脱水を起こすので、水分摂取は重要です。次にこのような強い症状がなくても、感染症のときは『血管内脱水』が起こります。感染症によって炎症を起こした組織のほうに水分が行ってしまい、血管内が水分不足になり、血液成分が濃くなります。特に具合が悪いときは意識して水分を摂取したほうがいいでしょう」

感染症にかかっていなくても、私たちの体から出ていく水分は一日におよそ2.5リットルとされる。尿が1.4リットル、便が0.1リットル、呼吸、発汗による皮膚からの蒸発がそれぞれ0.5リットルだ。一般的に1.3リットルほどは食事などから得られるが、残りの1.2リットルは飲料で補給しなければならない。加齢に伴って体内の保水能力が低下するため脱水になりやすい。

医学博士で管理栄養士の井上正子氏(日本医療栄養センター所長)によると「のどが渇く、尿が減る、皮膚がカサカサになるなどの症状が現れたら脱水のサイン」という。