絶対に採用してはいけない人材のタイプとは
【1】自己評価意識
いわゆる“自己評価が高い系人材”は、あなたの周りでも必ず1名は顔が浮かんでくるのではないだろうか。「自分なりにやってますけど何か?」「ベストをつくしました」「取り組みは良かったと思います」「お客さんの反応は良かった」というように他者評価をほとんど意に介さない人材が、これにあたる。
組織コンサルティングを行ってきた我々の見解として、自己評価意識はマネジメントによって修正するのは極めて困難、と考えている。つまり、採ってしまったが最後で、在籍する限りは常に組織が求める成果を意識せず自己評価の中にいることになり、組織貢献度の低い人材として居続けられる状態になる。自己評価意識の高い人材は採ってはならない。
では、どう見抜くか。結論、候補者の発言を「事実」と「見解(意見)」で分けて捉える。見解を多く述べる人材は自己評価意識が高い傾向がある。先述の「ベストをつくしました」「取り組みは良かったと思います」「お客さんの反応は良かった」はすべて「見解」であり、事実ではない。面接を多く経験してきた読者は、見解ばかり述べる人材とは話が長くなる、という実感があるはずだ。なぜなら、事実が見えないために質問が多くなり、キャッチボールの回数が多くなるからだ。
自己評価意識を見抜くための質問
質問例としては、「全力で取り組んだ仕事とその達成度を教えてください」等がある。「全力で」という質問が、自己評価で回答するよう促しているのでいささか意地の悪い質問だが、この問いに対して、しっかりと客観的事実、達成率などの定量的実績を述べてくる候補者は期待できる。他者評価を意識して仕事ができる人物と評価できるのだ。新卒採用においても仕事ではなく、学生自体の取り組みなどに置き換えて質問すればよい。
【2】組織内位置認識
2つ目は組織内位置認識。耳慣れない言葉だが、入社前後のギャップ要因として非常に重要な要素である。この認識が低い人材も採ってはならない。当該社員の言動は以下の通り。
組織内位置認識の低い社員
・自分は賢いと勘違いし、自社の批判や評論にまわる
・自社の方針、ルールは基本自身が取捨選択できると考えている
・同時に、上司を上司と認識していないため、指示を聞かない
・業務指示に対して「なぜやるのか」といった納得、腹落ちを求めてくる
スキルセットが一見高く見えても、このような社員は組織全体にとってマイナスだ。こういったマインドセットも事前に見抜くことで採用後の事故を防ぎたい。「転職理由」や「仕事ぶり」を問いながら、自社や上司の過度な批判、または、自責に対する傍観者的発言を見逃してはならない。会社組織に属したことのない新卒採用においても、出身校や部活といった集団に対してどのような発言をするか注視すればよい。