採用成功の鍵はマインドセットを正しく見抜くこと

スキルセットについては、比較的評価するのは容易だ。当該部署のマネジャーなど直属上長や経験のある部長クラスなどが面接にあたることによって、何ができるか、どんな実績があるかは見えやすいからだ。営業などであれば達成率など明確な事実を基に判断できるし、技術職なども「5分話せば何ができるかわかる」という話をよく耳にする。

一方、評価が困難なのはマインドセットだ。やる気、コミット力、雰囲気(人柄)、企業文化へのフィット感といったものは採否基準として重要視されていながら、抽象度が高く、そもそも自社の求める水準も不明確なことが多いし、候補者を「やる気がある人物」と評価する面接官もいれば、そうでない面接官もいるだろう。

例えば「彼(彼女)はウチに合っているよね」とか「フィットしている/してない」「ウチの会社の社員“っぽい”/“ぽくない”」という会話がかわされるが、一体何に対する適合度を評価しての発言かは曖昧だ。つまり、面接を“難しいもの”にしているのはマインドセットであり、このマインドセットを正しく見抜くことが採用力強化につながる。

マインドセットを把握する8つの要素

マインドセットを正確に評価するためには、その全体像を把握する必要がある。識学ではこれを8つの要素に分解して捉える。

それぞれの簡単な説明は以下の通り。

自己評価:自身の価値を自身が決めると考えている度合い
組織内位置認識:自社に位置している意識(所属)、上司を上司と思っている度合い(上下関係)。これらの意識の度合い
結果明確:自身のミッションをどの程度明確に捉えられているかの度合い
成果視点:やる前に熟慮する度合い やる前のプランニングに時間をかける意識の強さ
免責意識:他責思考の強さ
変化意識:成長したいという指向性の強さ
行動優先意識:速やかに取り掛かる、繰り返し取り組む、といった意識の強さ
時感覚:スピード感 時間短縮に価値があるという感覚の強さ

当社では、この8つの要素をベースにマインドセットを評価し、採否を決定しているわけだが、すべてを見抜く技能を身に着けるのは大変困難で時間もかかる作業なので、ここでは最優先している2つをご紹介する。