政治分野のジェンダーバランスを実現する秘策

政治分野は選挙があるので、クオータ制などを実施しないとジェンダーバランスの確保は難しいと言われます。フィンランドは「公の場はどちらの性が多くても6:4」と決まっている。日本でも政治のジェンダーバランスを実現するため、いつも提案していることがあります。行政には特定職というものがあります。副知事や教育委員長などは、選挙に出るわけではなく指名制で決まります。各首長さんは、自分の県や市町村の議員のバランスが悪いなと思ったら、ぜひ女性の副市長や教育委員長を立ててください。

今、全国に女性の県教育委員長は4名しかいませんが、そのうちの一人、広島県の平川理恵さんが着任してから、「セクハラは許しません」と明言。あっという間に学校でのセクハラが減ったという実績もあります。

女性に下駄を履かせるのではなく、「みんな」のためにより良い結果を得るために、明日から5:5を意識してほしいのです。

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白河 桃子(しらかわ・とうこ)
相模女子大学大学院特任教授、女性活躍ジャーナリスト

1961年生まれ。「働き方改革実現会議」など政府の政策策定に参画。婚活、妊活の提唱者。著書に『働かないおじさんが御社をダメにする』(PHP研究所)など多数。