意識して見てみると、いたるところでジェンダーバイアスがかかっていることに気づきます。一斉休校で困るのは母親とする短絡的で偏った報道もその一つ。なぜこのような偏りが生じてしまうのか。意思決定層にダイバーシティがないことによるリスクについて考えます。
自宅で一人で勉強している小学生の女の子
※写真はイメージです(写真=iStock.com/monzenmachi)

なぜ「一斉休校=困るのはママ」という構図になるのか

国際女性デーをきっかけに、ジェンダー平等についての記事がたくさん出ました。目につくのは、あらゆる場所も「ジェンダーバランスがとれていない」という記事です。

ジェンダーバランスに偏りがあると何が起きるのでしょう?

例えば、先日政府から一斉休校の発表があったとき、最初は「ママが大変」という報道がどこの番組でもなされました。女性が騒いでいる絵を画面に映す。「学校が休み→子育てはママの役割→困るのはママ」という性別役割分担に基づいた報道になっているのです。違和感を覚えて、ツイッターとFBで書きました。

「メディアの方にお願い! 休校で困る人について、画面で取り上げるのが女性だけとバイアスがかかっていませんか? 一斉休校で悲鳴をあげているのは女性だけというのが納得いかない。社会インンフラを回す人が優先なので、パパも仕事を休むことを考えてほしい。(オレの仕事……は本当に2週間止まったら社会に影響を与えるものでしょうか?)」

この書き込みは瞬く間に拡散してもらえました。多くの人から「モヤモヤしていたことを言語化してくれた」と共感のコメントもいただきました。あるメディアの女性からも「番組の上層部は完全に女性だけの問題と考えている。説得しても聞いてもらえない」と内部告発がありました。

翌日からのワイドショーを見ると「リモートワークしながら、子供と過ごす大手電機メーカー社員のパパ」などの姿が……。もしかしたら、少しは効果があったのでしょうか?