履歴書の性別欄と写真添付の廃止

そんな中、ユニリーバジャパンからこんな驚くべき発表がありました。「履歴書から性別欄、写真の添付をなくします」という発表です。リリースによれば、採用における無意識の差別がアンケート調査で明らかになったそうです。私も企業の人事担当者から「成績だけでとると女性ばかりになってしまうので、男性に下駄を履かせて採用しています」という話を何度聞いたことか。

「回答者の18%は、応募職種から、男性候補者を優先したことがあると答えました。履歴書のスクリーニングの段階で、履歴書に貼る写真が、合否に影響していることも分かりました」

このユニリーバの取り組みは、女性社員の比率を上げることに貢献するのでしょうか。

かつて米国のオーケストラの採用者の女性比率は5%でした。しかし現在は35%になっています。この拡大をもたらしたのは、採用試験で性別を含めて応募者が誰なのかわからない状態にした「ブラインドオーディション」を採用したからです。

日本の履歴書から「性別欄」をなくすユニリーバの挑戦に続くのは、さてどこの企業でしょうか?

明日からできる50:50プロジェクト

最後に提案です。

ジェンダーバイアスのない社会をつくるため、明日からできることは、あらゆる場の女性の比率を「本来なら人口の比率で5:5のはず」という目で見直すこと。すでに英国では2018年からBBCが50:50プロジェクトをやっています。

テレビとラジオの番組のジャーナリスト、専門家、評論家など出演者の男女比が月間の合計で半々にするというプロジェクトで、現在は500以上の番組制作の現場で実践されているそうです。

BBCは日本のNHKのような公共放送。だからこそ「みんなが受信料を払っているので、みんなを反映していないといけないのです」と言っています(朝日新聞DIGITAL2019年6月28日)。

NHKはぜひやってほしいですね。「皆様のNHK」なのですから。

また日々無数に開かれるシンポジウムの登壇者も、男性ばかりになっていないでしょうか? 男性登壇者ばかりのパネルディスカッションのことを「Manel」というそうです。私がそれをFBに書いたら外資系の人たちからは「男性ばかりの登壇者のイベントをやったら批判される」「国連職員はジェンダーバランスの悪いパネルへの登壇は断ることになっている」というコメントをもらいました。

政府をはじめ、さまざまな「委員会」が毎日開催されていますが、その委員の割合も5:5を意識してほしいところです。