テクノロジーが進歩するほど女性には有利に
テクノロジーが進歩すればするほど、共感能力が高く、真面目で優秀な女性の価値はどんどん上がっていくはずです。そんな未来が待っているのに、専業主婦になってせっかくの「人的資本(2億円のお金持ちチケット)」を捨ててしまうのは、あまりにももったいないと思いませんか。男性にしても、妻がいきいきと働いて稼いでくる方が圧倒的にいいでしょう。その代わり、家事や育児に協力するほうが、長い目で見れば経済的にも断然有利だし、それが家族の幸福につながるのです。
日本の社会や会社にいろいろな問題があるのはたしかで、「男の古い価値観が女の自立のじゃまをしている」というのもまちがいないでしょう。でもだからといって、働くのをやめて専業主婦になるのは、状況をさらに悪化させるだけなのです。
21世紀の幸福な家庭のロールモデルを
ここまで書いてきたことをまとめると、次のようになります。
・スペシャルな仕事をずっとつづけて「生涯現役」になる
・独身ならソロリッチ、結婚するならダブルインカムの「ニューリッチ」を目指す
・フリーエージェント戦略で、カッコいいファミリーをつくる
欧米など先進国ではみんながこういう生き方を目指していますし、いまの日本でも「BOBOS」っぽいひとはじつはたくさんいます。
誤解のないようにいっておくと、専業主婦という選択をした一人ひとりを批判するつもりはありません。ただ社会がものすごい勢いで変わるなかで、若いときから人的資本をすべて放棄して「生涯働かない」という人生設計はかんぜんに時代遅れになりました。それを無理にやろうとすれば、できるはずのないことを実現しようとするのですから、ほとんどの場合は大きな失望が待っているでしょう。
いまの日本に必要なのは、「働きながら子育てできるし、こんなに幸福に暮らせる!」というロールモデル(理想像)です。
この本を読んでくれた皆さんのなかから、ひと組でも多く、そんな素敵なカップルが誕生することを願っています。
写真=iStock.com
1959年生まれ。早稲田大学卒業。2002年、国際金融小説『マネーロンダリング』でデビュー。同年、「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部を超えるベストセラーに。05年の『永遠の旅行者』が第19回山本周五郎賞候補に。『言ってはいけない 残酷すぎる真実』で2017新書大賞受賞。著書に『「読まなくてもいい本」の読書案内』(ちくま文庫)、『テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想』(文春新書)、『スピリチュアルズ 「わたし」の謎』(幻冬舎文庫)、『DD(どっちもどっち)論 「解決できない問題」には理由がある』(集英社)など多数。
