日本の「育休制度」の評価は世界1位だが…
日本を含む多くの国で、子育て支援策として導入されている育児休業制度。女性が働き続けつつ育児もできる環境を整えるとともに、最近では男性の育児休暇取得にもスポットライトが当たっています。今回はその育休制度が家庭や社会にどんな影響を与えているのかを、経済学的な切り口から分析してみたいと思います。
育休制度は、子育てのために一定期間休職したあとで職場復帰ができるという「雇用確保」と、給与相当額の一部が公的に支給される「給付金」を組み合わせたものです。
国によって休業期間や給付水準は違いますが、日本では現在、原則子供が1歳になるまで育児休暇を取得することができます(保育園に入所できないなどの場合、最大2歳まで延長可能)。さらに、最初の180日間は育休前の給与の67%、それ以降は50%が育児休業給付金として支給されるほか、社会保険料の免除も受けられます。
国際比較をすると、日本の育休制度はいわゆる先進国中では平均的か、若干上という感じでしょうか。休業期間ではオランダやカナダより上、給付水準ではデンマークやドイツをも上回っています。特に男性向けの育児休業制度では、日本の育休期間はOECD(経済協力開発機構)諸国中で韓国に続く世界2位、育休の週数×給付金額で評価するUNICEF(国連児童基金)の子育て支援についての報告書では、世界1位の評価を受けています。