外国選手の加入、異質な文化の融合が日本チームを強くした
日本が強くなった理由は、ラグビー専門家から色々指摘があるが、やはり外国人の力だろう。このことは各メディアも盛んに報じている。
日本代表チームには10名を超える外国人選手が属するが、正確に言えば、半数以上は日本国籍を既に取得しているので外国人ではない。まあ法的にはそうなんだけど、外国をルーツとするメンバーが日本代表にたくさん入っていることは事実で、このことが日本代表を強くしたことも間違いない。
体格・体力の違いに日本人選手は驚いただろう。プレーだけでなく思考、文化の違いにも刺激を受けただろう。
やっぱり同質性の組織は強くはならない。
(略)
合理性にこだわった日本代表の練習とは
今もミスターラグビーと称される故平尾誠二さんたちの時代も、そして僕らの時代も、日本のラグビー選手は、世界のトップクラスから見れば細く軽かった。日本人同士では大柄な者がラグビーに集まってきたけど、世界の中では、つまようじか綿棒みたいなもの。
そこを外国人選手が日本チームにどんどん入ってきて、さらに外国人のコーチも入ってくるようになって、まずは体格の差、体力の差を縮めることが第一となった。それも超科学的なトレーニングによって。
テレビの画面でラグビー選手の背中、首元のところを見て欲しい。小さな四角い箱みたいなものが入っている。これはGPSの発信器なんだ。GPSで選手の動きのデータを全部集めている。あれだけ激しくぶつかり合うラグビーでは、身体に装飾品などは何も付けてはいけないんだけど、GPS発信器は容認されている。これ、最初にやり出したのは日本代表チームらしい。当時はルール上ダメだろうと思われていたけど、一か八かやってみたら、それが容認されてスタンダードになったとか。
現代の科学的練習方法では、楽な負荷も、しんどすぎる負荷も、両方だめらしい。選手個々人に合わせた最適な負荷をかける。各選手の身体の状態を計るためには、GPSで集めて分析したデータが必要だし、さらにそのデータに基づいて作戦を立てる。
今の日本代表チームの選手の体格を見てよ。強豪国の選手の体格と遜色がない。体格、体力に差がなくなれば、細かな技術で勝るのは日本だ。技術の日本の優位性はスポーツに限らずあらゆることに言えるよね。
これから益々日本チームが強くなることを確信している。