女の子を伸ばすためには、どんな教え方がいいのか。プロ家庭教師歴約20年で、『中学受験 女の子を伸ばす親の習慣』(青春出版社)の著者である安浪京子氏は「小学生の女の子には『キレイなノートづくりが勉強だ』と思っている子がいる。早めに試行錯誤することの大切さを教えたほうがいい」と指摘する――。
勉強は「机に向かうこと」ではない
「自分から勉強してくれる子になってくれたら……」、小学生の子供を持つ多くの親御さんはそう願っていることでしょう。特に限られた期間で最大の力を伸ばしていかなければならない中学受験では、成熟度の高さは大きく影響します。そういう意味では、親から言われたことを比較的素直に受け入れる女の子は、一見受験勉強を進めやすく見えます。女の子と比べて幼い男の子の場合、「宿題はもう終わったの?」「いつになったら勉強を始めるの?」といったやりとりから始めなければならないからです。
けれども、そこで安心してはいけません。
「毎週日曜は8時間勉強をしているのに、全然成績が上がりません」
こういう相談が多いのが、女の子のご家庭です。男の子を持つ親御さんからすれば、「えっ! 8時間も勉強できるの?」と驚かれると思います。しかし、よほど勉強が好きでない限り、8時間も集中力がもつはずはありません。
1日8時間、机に向かって座っていられたとしても、本当に集中して勉強できる時間はせいぜい1~2時間。残りの時間はテキストをぼんやり眺めていたり、ノートにキレイにまとめていたり、解説を読んでわかった気になっていたりと、“勉強をしている気分になっている”ことのほうが多い。そういう女の子は、勉強とは「机に向かうこと」だと勘違いしているのです。